サッカーJ1への復帰を目指したJ2徳島ヴォルティスの、今季の戦いが終わった。

 順位は全22チームのうち、真ん中より下の14位。通算成績は13勝14分け15敗(勝ち点53)と負け越し、目標とした「25勝、勝ち点80以上の自動昇格(2位以内)」どころか、昇格プレーオフ圏内の3~6位にも入れなかった。

 「1年でのJ1復帰」を掲げたチームとしては、全く不本意な成績だった。熱い声援を送り、見守り続けた県民にとっても、極めて残念な結果である。

 だが、ヴォルティスの挑戦はこれで終わったわけではない。大切なのは、厳しい現実を受け止め、敗因を分析して次への糧とすることだ。気持ちを切り替え、来季に向けた準備をしっかりと進めてもらいたい。

 J1の舞台でもまれたチームとはいえ、J2での戦いが決して容易ではないのは、シーズン前から予想されていたことだ。今季優勝した大宮をはじめ磐田やC大阪など、経営規模が大きく、J1の経験が豊富な強豪がしのぎを削っているからである。

 そのため、ヴォルティスも11人を新たに加えて顔ぶれを刷新するなど、戦力を整えて臨んだ。しかし、結果を見ると、不十分だったと言わざるを得ない。

 痛かったのは、前半戦の21試合で3勝しかできなかったことだ。新加入した選手がけがで長期離脱したのに加え、J1で負け続けた精神的なダメージも影響し、一時は21位とJ3への降格が心配されるほど精彩を欠いた。

 戦い方を変更した後半戦は何とか挽回し、プレーオフ圏内を射程に入れるまでに復調した。選手たちの意地と、諦めないサポーターらの後押しも大きかったといえよう。

 だが、前半戦での出遅れと終盤の失速が響き、J1復帰の望みは断たれた。

 シーズンを通して重くのしかかったのは、決定力不足である。総得点は35点と、リーグで4番目に少なかった。

 たとえ敗れても、ゴールを決めたゲームと無得点試合とでは、スタジアムの盛り上がりが全く違う。後方へのパスが多くなるなど消極的な姿勢が目立てば、ファンの失望を買う。

 見応えのある試合を常に展開するために、何が欠けていたのか。課題を見極めながら戦略を練り直し、補強に当たる必要があろう。

 2012年から指揮を執ってきた小林伸二監督は、今季で退任することになった。悲願のJ1昇格に導いた指揮官だが、1年で降格し、今季も振るわなかったことを考えるとやむを得まい。

 徳島に功績を残した小林氏に報いるためにも、チームが下を向いている時間はない。次期監督の選考や新戦力の獲得など、やらなければならないことはたくさんある。

 J1復帰に向けて果敢に前を向き、新たな体制で出直してもらいたい。