第10回記念大会となる「とくしまマラソン」が、きょう開かれる。

 上位入賞を狙うベテランから完走が目標という初心者まで、それぞれのペースで春の阿波路を楽しく走ってもらいたい。

 エントリーしたのは県内外から計1万4294人と、過去最多に上る。2008年の第1回に比べて、実に3倍の規模になった。

 とくしまマラソンは、県民のスポーツ熱を語る上で欠かせない一大イベントに成長したと言えよう。コースや運営方法など、さまざまな面で改善を加えてきたことが、多くのランナーからの高評価につながっている。

 10年は一つの区切りであり、次のステップでもある。さらにより良い大会となるよう、工夫を凝らしていくことが大切だ。

 今回は、開催時期をこれまでの4月下旬から1カ月前倒しした。マラソンを走るには気温が高いという声があったためである。

 スタート地点も昨年の県庁北側の臨海道路から、かちどき橋南の国道55号に変更した。出発直後に右折しなければならない問題を解消するのが目的だ。混雑緩和のため、10分間の時間差スタートも初めて採用する。

 今後も安全第一、ランナー優先の視点で見直しを進めてほしい。

 大会の功績は、何と言っても市民ランナーを増やしたことである。

 エントリーした県民は過去最多の8911人を数える。県人口が約75万人だから、84人に1人がゴールを目指す計算だ。都道府県別の人口当たりのフルマラソン完走率で、14年度は徳島が全国1位だったというデータもある。

 季節を問わず街中で、公園で、河川敷で、走る人の姿を見掛けるのは珍しくなくなった。県民の健康増進に寄与しているのも間違いない。

 そんな大会を支えているのが、大勢のスタッフやボランティアの人たちだ。

 全国に数ある大会の中でも、沿道からの応援の充実ぶりは徳島の自慢である。阿波踊りや楽器演奏をはじめ、半田そうめんやフィッシュカツの提供など、趣向を凝らした「お接待」がランナーたちの背中を押す。

 今大会は、応援隊としてサークルや企業など55団体が参加する。第1回からの常連組も少なくないというから頭が下がる。

 ゲストランナーは、リオデジャネイロ五輪に出場した伊藤舞選手(大塚製薬)と、アテネ五輪金メダリストの野口みずきさんだ。東京、龍谷、明治、早稲田、法政の各招待大学の選手がペースメーカーを務める。その走りは大いに参考になるだろう。

 気になる天気は曇りで所により雨の予報だが、徳島を挙げて育ててきた年に1度の“お祭り”である。多くの県民が沿道で声援を送り、10年の節目を盛り上げよう。