日本の製造業では戦後最大の経営破綻だ。欠陥エアバッグのリコール(無料の回収・修理)問題で業績が悪化していたタカタが東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。負債総額はリコール費用を含め約1兆7千億円になる見通しだ。

 東京商工リサーチによると、130社以上ある1次下請けの約4割が近畿に集中し、中でも創業の地である滋賀県が最も多い。今回の経営破綻による影響を最小限に食い止めることが大事である。

 問題は、欠陥エアバッグが今も大量に市場に出回っていることだ。早期回収と再発防止を急がなければならない。

 タカタの対応は後手後手に回った。ホンダが2008年に最初のリコールを届け出た段階で欠陥を認め、自動車メーカーと協力し、問題解決に当たっていれば、ここまで事態を深刻化させることはなかっただろう。

 エアバッグの異常破裂の原因を巡って、タカタと自動車メーカーが責任の押し付け合いに終始したことも、回収や再建策の遅れにつながった。経営陣の責任は重いと言わざるを得ない。

 タカタの高田重久会長兼社長は「心より深くおわび申し上げる」と述べたが、肝心なのは、消費者の信頼をどう回復させていくかである。製品の安定供給に努めてもらいたい。

 タカタは中国企業傘下の米自動車部品会社の支援を受け、事業を継続しながら再生手続きを進める。再建の道筋をつけるとともに、製品の安全性をいかに確保するかが課題である。