安全軽視と言われても仕方ないだろう。

 日産自動車が、国の規定に反して出荷前の新車の無資格検査をしていたことが分かり、約116万台のリコール(無料の回収・修理)に発展した。

 なぜ、規定違反は常態化したのか。対象車の安全確認を急ぐとともに、実態を解明し、再発防止策を打ち出すべきだ。

 出荷前の検査は、エンジンやブレーキなど車の品質と安全に関わる多くの項目を調べるものだ。本来は車検場に持ち込まなければならないが、効率が悪いという理由で、メーカーが自ら行えることになっている。

 ただし、規定では会社が認定した正規の検査員しか携われない。なのに日産は、経験が浅い「補助検査員」も行っていた。

 社長は、人手不足が原因ではなく、検査員の自覚の欠如や手続きの軽視があったとの認識を示した。

 だが、無資格者が正規検査員名のはんこを検査記録書に押す悪質な偽装工作も発覚している。組織ぐるみではないかとの疑いは拭えない。

 日産はフランス・ルノーの傘下に入り、徹底的な合理化で業績を伸ばしてきた。今年上半期は世界販売台数で初の首位に躍進している。

 合理化を進めるあまり、車の安全性をおろそかにしたのだとすれば見過ごせない。

 無資格検査は日産のブランドイメージだけではなく、自動車業界の信頼も損ねた。安全管理に問題がないか、各社はしっかりと点検してもらいたい。