小池百合子氏の代表辞任は希望の党にどんな影響を与えるだろうか。特別国会での論戦や安倍政権に対するスタンスに注目したい。

 小池氏の辞任は突然のことで、戸惑った国民も少なくなかっただろう。

 衆院選での敗北後、小池路線を継承する玉木雄一郎衆院議員が共同代表選で勝ち、共同代表になった。

 それを待っていたように、小池氏は「玉木執行部が船出するのを見届け、創業者としての責任をひとつ終えた」と述べ、代表を辞任した。

 知事として都政に専念する構えだが、無責任のそしりは免れない。有権者は、小池氏が代表だった希望の党に投票したのである。

 党内は、玉木氏と共同代表選を争った大串博志衆院議員が憲法9条改正に反対するなど、路線や重要施策を巡って見解が分かれている。

 憲法改正という国の根幹に関わる基本問題で揺れるようでは、信頼感に欠ける。

 玉木氏を支援した議員の中にも、いち早く民進党を離党した結党メンバーと合流組のしこりが残っている。

 小池氏の辞任が一層の求心力低下を招き、再分裂を誘発する可能性も否定できない。

 党勢は振るわず、共同通信の世論調査で、希望の党の支持率は5・7%にとどまっているのが現状だ。

 玉木氏は早速、党の結束に向けた手腕が試されよう。

 それにしても、「日本をリセットする」として希望の党を結成した小池氏の変わり身の早さには失望した。

 衆院選は当初、都議選に続いて小池氏に追い風が吹くと見られたが、民進党からの合流を巡る「排除」発言で、風向きが一変した。

 選挙の後も逆風はやんでいない。小池氏が事実上率いる「都民ファーストの会」は、葛飾区議選で公認候補5人のうち4人が落選した。

 都議会公明党幹部は「小池氏は都政を踏み台にした」と述べ、小池知事との連携を見直す意向だ。

 勢いを失った小池氏が都政を運営するには、大変な努力がいる。なぜ、都民の視線が厳しくなったのか、原因を自覚すべきである。

 衆院選で分かったのは、都知事選や都議選のように世間の耳目を集める劇場型の政治手法は、そう何度も成功しないということだ。

 希望の党の衆院選公約には、「アベノミクス」を意識した「ユリノミクス」の名称が躍った。選挙のために取って付けたような印象の政策が、国民に浸透しないのも無理はない。

 希望の党は自公連立政権に近い勢力になるのか、それとも、安倍政権に対抗する野党の一翼を担うのか。たちまち問われるのは、安倍晋三首相が意欲を見せている憲法改正への対応である。

 いずれにせよ、多くの国民の信頼を得られる政党にならなければ、足元から瓦解(がかい)する懸念は拭えまい。