徳島県議会11月定例会の代表質問が行われた。
 
 とくしま国民文化祭記念管弦楽団(とくしま記念オーケストラ)事業に絡む脱税事件で、東京の音楽プロダクションと元代表取締役の川岸美奈子被告が起訴されたことを受け、議会が事業の問題点にどこまで迫れるかが焦点の一つである。
 
 飯泉嘉門知事は、今後の事業展開を聞かれ、本年度限りで終えることを表明した。
 
 本年度を含む7年間で10億円を超える公金をつぎ込みながら、経費の積算根拠や詳細な使途がはっきりしない事業である。続けないのは当然だろう。
 
 とはいえ、これで幕引きにしてはならない。
 
 音楽プロダクションは、昨年7月期までの3年間で1億2900万円の所得があり、大半が記念オケ業務で得た手数料とみられている。報酬は誰が決めたのか、その額は妥当なのか。さまざまな疑念は残されたままである。
 
 しかし、これらに深く切り込む質問は出なかった。公金の使い方をチェックすべき議会は機能しているのか、首をかしげざるを得ない。
 
 近年、多額の予算をかけながら効果の疑わしい県事業が目に付く。
 
 東京都渋谷区に整備中の情報発信・交流拠点「ターンテーブル」もそうだ。
 
 アンテナショップとしては国内初の宿泊機能を備え、レストランや県産食材を購入できるマルシェ(市場)を設けるなど、徳島の食や文化にじっくり触れてもらうことで、観光客や移住者の増加につなげる狙いがある。
 
 ただ、経費もかさむ。5階建てビルの施設整備費に2億3千万円が必要で、毎年3千万円を負担し続けなければならない。JR渋谷駅から徒歩で10分以上かかる上、目立たない場所にあるため、どれほど集客できるか不安視する声がある。
 
 代表質問では、施設の運営方針を聞く場面はあったが、費用対効果を詳しく問うには至らなかった。
 
 徳島阿波おどり空港のターミナルビル拡張にも疑問符が付く。2020年の東京五輪開催に向けてインバウンド(外国人旅行者)を呼び込むため、総事業費18億円をかけてボーディングブリッジ(搭乗橋)と共に、税関など国際線に必要な施設を整備しており、近く完成する。
 
 飯泉知事は答弁の中で、期間限定で香港、台湾それぞれをつなぐチャーター便の運航を公表した。だが、肝心の定期便の誘致は、6月定例会で香港便の就航が見込まれることを明らかにして以来、目立った進展は見られない。
 
 海外との定期便が就航しなければ、巨費を投じた施設も宝の持ち腐れになる恐れがあるが、これを厳しくただす質問者はいなかった。
 
 公金の無駄遣いを許せば、議会の責任も問われる。一般質問、委員会では各事業をしっかり精査してもらいたい。