沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校の運動場に13日、隣接する米海兵隊普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリコプターの窓が落下した。

 運動場では、体育の授業が行われており、児童ら約60人がいた。そこに飛行中のヘリから金属製の外枠がある90センチ四方、7・7キロの窓が落ちてきたのだ。

 子どもたちとの距離はわずか十数メートルとみられる。大惨事は免れたが、背筋が寒くなるような事故である。

 子どもたちはショックを受けたようだ。「怖い」と体調不良を訴え、翌日、学校を欠席した児童もいる。

 沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は「一番守ってあげなければならないのは子どもたちだ。運動場のど真ん中に落ちてきたのは許されない」と話した。県や市、県民が怒りの声を上げたのは当然である。

 米軍は沖縄県に謝罪し、安全点検のために、普天間所属の同型機全ての飛行を見合わせていると説明した。

 しかし、過去の事例のように、短期間で飛行を再開する意図はないのか。米軍は原因を究明するとともに、徹底した再発防止策を講じ、住民らの理解を得る努力を尽くすべきだ。

 沖縄県は政府と米軍に、沖縄に配備された全米軍機の緊急総点検と、点検終了までの飛行中止を求めたが、防衛省は「全ての機種の飛行停止を求める考えはない」と言う。

 果たして県民が納得するだろうか。これまで、何度も米軍機による事故が繰り返されてきている。

 7日には同小の約1キロ東の緑ケ丘保育園に、上空から円筒状の物体が落下した。海兵隊はこの物体をCH53の部品と認めたが、落下については否定している。

 10月、普天間所属のCH53が沖縄県東村の牧草地で不時着し、炎上したのも記憶に新しい。2004年には隣接する沖縄国際大に墜落し、米兵3人がけがをした。

 昨年12月、普天間所属の輸送機オスプレイが名護市沿岸部に不時着し、大破したことも波紋を広げた。

 米軍への不信感は高まる一方だ。

 市街地の真ん中にある普天間飛行場は重ねて、危険性が指摘されてきた。

 政府は、名護市辺野古への移設作業を進めるが、沖縄県は中止を求めている。

 沖縄の声に政府は耳を傾けなければならない。米国に普天間飛行場の運用を改善するよう働き掛けてはどうか。

 米軍機の飛行を巡る懸念は沖縄に限らない。

 徳島県では今月、米軍の飛行訓練ルート「オレンジルート」が通る牟岐、海陽両町で米軍機の低空飛行が相次いで目撃された。住民からは飛行回数が増えるのではないかと不安の声が漏れる。

 県は飛行情報を確認する度に、外務省と中国四国防衛局に対し、訓練中止を要請している。粘り強く米軍の対応を促してほしい。