他にも文書が残っているのではないか。そんな疑念が湧いてくる。

 学校法人「森友学園」の国有地売却問題で、財務省近畿財務局が学園との交渉について、対応を検討する文書を保管していたことが分かった。

 財務省はこれまで、交渉に関する資料を「破棄した」と国会で答弁してきた。「内部の検討資料で交渉記録ではない」と近畿財務局は釈明するが、到底納得はできない。情報を隠そうとする姿勢が改めて浮き彫りになった形である。

 文書は、神戸学院大教授が昨年3月に情報公開請求したのを受けて開示された。

 財務局の売却担当者から法務担当者への質問を記した「照会票」と、回答をまとめた「相談記録」で2015、16年度分のものだ。

 学園側が地中からごみが見つかったとし、土地を安く買い取って解決を図りたいと要請してきたことなど、詳細な経緯が記されている。広い意味では交渉記録に当たるといえよう。

 情報公開請求から開示まで、10カ月以上かかったのも異例だ。公開すれば、他にも資料があるはずだと追及されるのを恐れたのではないか。

 国有地が約8億円も値引きして売却された背景には、一体何があったのか。いまだに真相は分からず、疑問は払拭(ふっしょく)されていない。

 政府は資料の存否をもう一度精査し、結果を公表すべきである。折から通常国会が始まった。説明責任を果たさなければならない。