過重労働が問題となっている教員の負担を、どう軽減していくのか。長時間労働が続けば、いずれ体も心も悲鳴を上げるのは明らかである。

 教員の仕事は肥大化し、複雑化している。そんな業務の中で、外部、専門人材に任せられるものはないか。

 一人一人が、子どもたちと十分に向き合い、授業に集中できる環境をつくっていく必要がある。

 教員の働き方改革を巡って文部科学省は昨年末、「緊急対策」を公表した。

 教員が担う業務を明確にしたモデル案を作成することを盛り込み、時間管理の徹底へ意識改革を促した。教職員の業務量を一元管理する組織を省内に新設することや、勤務時間の上限を具体的に示すことも明記したが、大切なのはいかに実効性を上げるかだ。

 長時間勤務が常態化している学校現場の意識改革を進めるとともに、教員の数を増やすなどの抜本的な対策も講じていかなければならない。

 文科省は、保護者や地域など社会全体の理解を得るため、教員の働き方改革の趣旨を平易にまとめた資料を学校に配るといった普及活動にも力を入れるとした。これも重要だろう。

 徳島県内では、市町村立中学校で教員一人当たりの月平均残業時間が83時間36分と、80時間超が目安の「過労死ライン」を上回っていることが昨年12月、県教委が初めて実施した公立学校教員の時間外勤務調査で分かった。

 授業準備のほか、部活動の指導に多くの時間を取られているとみられ、憂慮すべき事態である。

 部活動は特に負担感が強いという。文科省は全国の公立学校の業務を支える外部人材を新年度、積極的に導入することを決めた。それに加えて、適切な練習時間や休養日に関する基準の設定を考えるのも大事だ。

 校務が忙しく、指導が行き届かないと悩んでいる教員は多い。心身の疲労や休息不足を訴える人もいる。

 管理職の負担も大きいようだ。本紙社会面の連載に登場した、徳島県央部の小学校に勤める50代の教頭は、始業時間より1時間以上早く出勤し、校内巡視を始める。授業は週15時間程度を受け持ち、担任の補佐にも当たる。

 職員会議やトラブル対応の報告書作り、PTAの文書作成などのほか、保護者からのさまざまな要求にも応えていかなければならない。

 当然ながら、学校全体の業務改善や、若手教員の授業力向上のための指導などに充てる時間は少なくなる。

 人口減少時代を迎え、社会情勢はめまぐるしく変化している。これに対応し、将来を担っていくのは今の子どもたちである。

 生きる力をどう育て、個性や主体性をいかに引き出していくか。教員に課せられた役割は大きく、責任は重い。子どもたちと接する時間をしっかりと確保したい。