徳島県議会2月定例会が開会した。
 
 焦点の一つは、県が「地方創生の成果実感」を目標に掲げて編成した2018年度当初予算案である。
 
 小規模企業の支援や1次産品のブランド戦略推進、空・海の海外便誘致、結婚・出産・子育ての支援、災害に強い地域づくり…。地方創生対策として並んだ事業の必要性に異論はない。
 
 問題は、いずれの事業も今までの延長にすぎないことである。この先に成果が待っているというイメージが描けるのかどうか。
 
 例えば「子育てするなら徳島!」と銘打ったプロジェクトがある。このスローガンにふさわしい地域とは、どんな姿か。肝心のその点が伝わってこない。
 
 人口減少時代を迎えた徳島が目指すべき、大きな目標が欠けているように見える。これまでと同じような発想で、事業を積み上げたところで十分な効果は得られまい。目指す方向次第では、予算の使い道や施策の優先順位もおのずから変わってこよう。
 
 各事業の政策効果を見極め、課題を指摘するのは議員として当然の責務だ。それだけではなく、明日の徳島の姿を総合的に考える。限られた予算を最も有効に使うため、こうした観点からの議論をもっと大切にし、深めていかなければならない。
 
 今定例会で、議会の存在意義が問われることになるのが、とくしま記念オーケストラ事業に対する姿勢だ。
 
 脱税事件で公判中の東京の音楽プロダクション元代表取締役、川岸美奈子被告が13~16年度、同事業で来県した際に県文化振興財団が負担したハイヤー代が、計765万円にも上ることが新たに分かった。関係者によると、大半は川岸被告が使用していたといいう。
 
 県の試算では、川岸被告には脱税事件の対象となった13年8月からの3年間で、事業に絡み計3億6800万円が支払われている。これとは別にハイヤー代を財団が支出していたのは、あまりに厚遇が過ぎないか。
 
 財団は県からの委託料や国などの助成金を元に、事業を実施してきた。公金支出に対する正常なチェック作用が働かないまま、事業が進んできた一例といえよう。
 
 新たな疑惑が次々浮上しているにもかかわらず、議会の追及は手ぬるいと言わざるを得ない。不信感を募らせている県民の目をもっと意識し、緊張感を持って県当局と渡り合うべきだろう。
 
 このほか、県と徳島市が8千万円ずつを負担して、市中心部で開かれた「とくしまLED・デジタルアートフェスティバル」の効果や、東京・渋谷に開業した県の情報発信・交流拠点「ターンテーブル」の現状などもしっかりした検証が必要だ。
 
 21日の代表質問を皮切りに論戦が始まる。県議一人一人の力が試されている。