徳島県議会2月定例会の代表質問が行われた。

 新年度予算案が、飯泉嘉門知事の掲げる「地方創生実感予算」にふさわしい中身なのかをチェックするのが最大のテーマだが、県政に関する幾つかの問題点も注目された。

 県民の関心が高いとくしま記念オーケストラ事業や、オープンしたばかりの東京の情報発信・交流拠点「ターンテーブル」を巡る論戦である。

 だが、県議の姿勢は物足りないものだったと言わざるを得ない。

 最大会派の県議会自民党の2人と、第2会派の新風民進の1人が質問に立ったが、いずれも記念オケ問題を真正面から取り上げなかったからである。

 記念オケ事業については、脱税の罪に問われて公判中の音楽プロダクション元代表取締役の川岸美奈子被告が強い影響力を持ち、多額の事業費を得るに至った経緯や、知事との関係性など、疑問な点が多い。

 川岸被告が来県時などに使ったハイヤーの代金が、2013~16年度の4年間に計765万円に上ることも分かった。県文化振興財団が支出していたが、なぜこれほど厚遇したのか。

 両会派は、脱税事件が持ち上がった当初から記念オケ問題の追及に後ろ向きだった。知事が昨年末に陳謝したことで、早く幕引きを図ろうという雰囲気すらうかがえる。

 記念オケ事業の費用を拠出していた「文化立県とくしま推進基金」に対しては、08年6月定例会の一般質問で県議の1人が、議会のチェックが及ばない仕組みに疑問を投げ掛けたことがある。

 しかし、それ以降は、昨年5月に川岸被告が脱税容疑で告発されるまで、基金の問題は見過ごされていた。そんな状況で、多額の記念オケの事業費が川岸被告に渡ったのである。

 08年の県議の指摘をきっかけに、議会が厳しく基金の在り方を問い、運用にしっかりと目を光らせていれば、今回のような事態は防げたかもしれない。

 代表質問では、民間に運営などを全て任せて、多額の税金を投入するターンテーブルの事業効果の検証方法をただす場面があった。長年、特定の事業者に補助金を支出していることに疑義を唱え、廃止を迫る質問も出された。

 だが、このほかは、消費者庁の徳島移転や公立高校の学区制の見直し、働き方改革など、今日的課題にどう取り組んでいくかといった漠然とした問い掛けが目立った。

 予算案や事業の問題点を具体的に指摘する質問が少なかったのは残念だ。

 見えてくるのは、議会と知事とのなれ合いである。こんなふうに議会の形骸化が進むことを、県民は看過しないだろう。

 県行政を厳正にチェックするのが県議の本分である。県民から負託された責務の重さをかみしめてもらいたい。