相場の格言を借りれば「自信ある自己流は確信なき正統派に勝る」。原油安の幸運もあって、アベノミクスは今年も健在らしい。年明けの市場は値を下げたが、「平均株価は2万円」とエコノミストは強気である
 
 安倍晋三首相は年頭記者会見で「あらゆる改革を大きく前進させる。アベノミクスを実りある大木に成長させなければならない」と述べた。「待ち人多し」。初詣のおみくじには、そうあったに違いない。地方の零細企業まで景気回復が実感できる収穫の年にしなければ
 
 景気のいい話とは裏腹に、こんな格言もあるそうだ。「未(ひつじ)辛抱」。未年は耐え忍ぶ年なのだという。確かにこの1年、辛抱が必要な場面もあろう。世界に目を転じれば不安定要素に事欠かない
 
 未年は戦争とも因縁浅からぬ年のようだ。前回の2003年にはイラク戦争が勃発、湾岸戦争はその前の1991年、旧ソ連のアフガン侵攻は79年だった
 
 さらにさかのぼれば戦時の日本が見えてくる。43年学徒出陣、31年は満州事変。国家痛恨の記憶である。首相は戦後70年談話に「反省」を盛り込む意向のようだ。しっかり歴史と向き合い未来への懸け橋としたい
 
 「石が流れて木の葉が沈む」。何が起きても不思議のない世界だ。安倍流の自信、過信に変わらぬように。こちらも年頭、まずはくぎを刺しておく。