小学校でいえば、せいぜい2、3年生といったところだ。やせた、粗末な身なりの女の子が、背中に、恐らくは彼女のきょうだいを背負って広場の隅に立っていた。「ギブ・ミー・1ルピー」。半分は演技なのだろうが、悲しげな瞳で言う

 傍らを同じ年格好の女の子が通り過ぎた。学校帰りか、緑の真新しい制服を着ていた。ちらっとも見なかった。先の子がまるで存在しないかのように。ネパールの首都カトマンズで、こんな経験をした。2008年の王政廃止以前の話である

 カースト制が長く社会を支配してきた。生まれながら、の世界だ。インドと同じく、公には廃止されているものの、宗教が絡んでおり、これもインドと同じく、そのくびきから逃れるには、まだ時間がかかるに違いない

 大地震の映像を見ながら思った。もう成人したはずの、あの女の子はどうしているだろう。天災は平等に人を襲う。しかし、影響は貧しい人ほど深刻というのが常

 死者は既に数千人を数える。震源に近い山間部では、壊滅的な村が多いとの情報も。被害はさらに拡大する恐れがある。まずは救助に、次は暮らしの再建に。日本が果たすべき役割は大きい

 中部ブジュン村での小水力発電所の建設支援など、本県とも縁が深い国である。友人の大事だ。われらも、できる限りのことをしなければ。