「プロの仕事だ」。そうたたえられた機長がいる。2009年1月、米ニューヨーク・ハドソン川にUSエアウェイズ機が不時着し、乗客乗員155人が救出された。世にいう「ハドソン川の奇跡」である

 離陸直後、エンジンが鳥を吸い込み、乗客は「爆発したような音」を聞いた。エンジンからは炎が…。生きた心地はすまい。だが、米空軍出身の機長が熟練の腕前で機体を操り、ハドソン川上空を滑空して着水した。空港に着陸したと勘違いした人がいたほどのスムーズな着水だったという

 東京・調布で起きた小型機の墜落事故には、残念な思いが募る。離陸後、低空でグラウンド上空を横切った写真を見るとなおさらだ。民家に突っ込んで、住民を巻き添えにする前に、何とか不時着できなかったものか

 3月、米ロサンゼルス近郊のゴルフ場に、人気俳優ハリソン・フォードさんが操縦する小型機が墜落したことも思い出した。フォードさんは負傷したが助かり、ほかにけが人は出なかった

 調布の事故の原因は不明だが、機長はパイロット養成の会社を設立し、教官もしていた。それでも回避できないトラブルだったのなら、未熟なパイロットでは到底、対処できまい。空は本来、人には不慣れな領域だ。そこへ飛び立つ以上、緊急時の操縦法などを入念に学んでおく必要がある。