年のせいか、見ている最中のテレビ番組に、あれこれ文句を付けずにはいられない。「そんなわけないやろ」「なんや、それ」てな具合だ。「うるさい」と、家族には怒られるのだけれど
 
 最近なら、型破りな公務員が限界集落を立て直すドラマ「ナポレオンの村」(MBSテレビ)。地元の米をローマ法王に献上してブランド米に、食味測定は人工衛星で…とは何事か。「余の辞書に不可能の文字はない」といった展開は、いかにもテレビと思ったが
 
 知らなかった。モデルがいたのである。本も出している。「ローマ法王に米を食べさせた男」(講談社)。人口約2万2600人の石川県羽咋(はくい)市、教育委員会で文化財室長を務める高野誠鮮(じょうせん)さんだ
 
 「会議など無駄。みんなが賛成する案なんて、うまくいくわけがないですよ」。電話の声は随分気さくだった。UFOによる地域活性化から過疎集落の再生、農作物の自然栽培。定年を来春に控えた今、市内の文化財を国宝にする計画に取り組む
 
 「失敗したらどうする」と反対ばかりの”評論家”に抗して、波風を立てつつやってきた。「役に立つ人」こそが役人ではないか、と
 
 どの町にも可能性は埋まっている。ただ、諦めずに掘り続けないと出てこない。成功は100回に1、2回で十分。高野さんは語る。「まずは行動、それが肝心」