あいにく女子プロレスラー時代の勇姿は知らない。りりしい外見に、「鬼嫁」を自称するあたり、さぞ勇猛果敢だったのだろう、と想像していた。だからというのもおかしいが意外だった

 タレントの北斗晶さんが、自身のブログで乳がんを公表し、右乳房の全摘出手術を受けると明らかにした。病は強靱な肉体をもむしばむ。当然の事実に、あらためて気づかされた

 ブログは<[またね]と言わせて下さい>との表題で始まる。乳がんと診断されるまでの経緯や、胸を失うことへの恐怖と葛藤、闘病への不安と決意…。この病気になった誰もが直面するに違いない心の動きを率直につづっている

 <北斗晶も苦しんでるんだから一緒に頑張ろうと思ってもらえる存在になれればと思います>。勇気づけられる人も多かろう。悲観的な情報ばかりではない。乳がん患者の5年後の生存率は90%を超す

 徳島県によると、県内でがん患者として新たに登録される人は、乳がんを含めて毎年5千人以上になる。第一は早期発見、早期治療。なのに検診を受ける人は現在、乳がんで4人に1人程度

 闘病中の人たちに、軽々に「頑張れ」といえる病気ではないが、他に言葉が出てこない。頑張ってほしい、[ただいま]を待つ人のためにも。がんは英語でCANCERと言う。頭のCANに希望を見る。