気になっていた映画を、封切り日に見た。「杉原千畝 スギハラチウネ」と「海難1890」の2本である(シネマサンシャイン北島で上映中)
 
 故杉原氏が大戦中、外交官として赴任したリトアニアで、わが身に降り掛かるだろう不利益を顧みず、ナチスに追われるユダヤ難民に「命のビザ」を発給し続けたことは比較的よく知られている。少なくとも6千人が救われた。子や孫らを含めれば4万人になるという
 
 「海難-」は今から125年前、和歌山県串本町沖で起きたトルコ軍艦エルトゥールル号の遭難にまつわる物語を描く。嵐の中、命懸けで救出に当たった住民の献身的な活動は、1985年のイラン・イラク戦争時、トルコ政府による在留邦人の救出へとつながった
 
 こうした事実があったことにまず心を打たれる。良心とは、真心とは。国や民族を超え、人として何が大切か考えさせられる作品である
 
 感動する物語に出合えば、自分ならどんな役を演じただろうと想像してみる。主人公ほどの器量は持ち合わせていない。同じ境遇に置かれても、せいぜい敵役、それも端役だったろうか
 
 それではね、と夢想は続く。格差広がる世界は今、テロの恐怖に覆われ、欧州には難民が押し寄せている。助けを求める命がある。スクリーンの端でいいから、主人公を支える役に、と思う。