有罪一転、といったところか。4月に関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を差し止める仮処分を決めた同じ福井地裁が、今度はそれを取り消した

 原発の新規制基準は「緩やか過ぎる」から「合理性がある」へ、施設も高度な耐震性が確保されている、と。では安全なのか。ところが、そうは言い切らない。再稼働を認めつつも、過酷事故の可能性が全く否定されるものではないと指摘した

 要するに、司法の立ち位置の問題だろう。だからだめだ、となった4月の仮処分決定は、この問題に裁判所が積極的に関わる姿勢を示したといえる。対して今回は、安全性の判断を原子力規制委に預けた

 それがおかしいとは言わない。司法の在り方として、常識にかなっているとの見方もできよう。しかし、その常識もフクシマ以後は大きく変わった事実を忘れてはならないと思う。ましてや、政府や電力会社は、再稼働を急ぐあまり、新たな「安全神話」を紡ぎ出すようなことがあってはならない

 仮に絶対の安全が確立されても、原発にはまだ面倒な問題が残っている。放射性廃棄物をどうするか。ごみ捨て場もないのにせっせと新たなごみを作ろうとしている、今はそんな状態なのである

 借金まみれの国の財政といい、付けを回される将来世代から、いずれ有罪判決を言い渡されはしないか。