この朝を、鶏旦ともいう。夜明けを告げる鳥の声とともに目覚める。そんなすがすがしさが、年の始まりにはある。冴(さ)えた空気を胸いっぱいに吸い込んで、さあ今年、どんな年になるだろう

 酉(とり)年の「酉」は、どこか危険なにおいがする。「氵」を付ければ「酒」になり、「卆」を付ければ「酔」う。星を隣に「醒(さ)」めた頭で考えたいが、それはもう少々後にして。正月なのである。再び床に潜り込み、夢見心地で一年の計

 1917年のロシア革命から100年になる。結局、失敗するけれど、20世紀は「平等」を志向する革命の世紀だった。資本主義も、社会主義陣営との対抗関係の中で鍛えられた

 ライバルが消えた21世紀、資本主義が世界を覆い、弱肉強食のグローバリゼーションが幅を利かせる。お金を共通の言葉に、「格差」があらゆる場所に出現している

 ポピュリズム(大衆迎合政治)や排外主義は、格差社会に対する人々の怒りを力に変えている。米国では近々トランプ大統領が誕生する。欧州では極右の台頭が著しい。動乱の予兆なきにしもあらず。日本でも憲法改正が…と、この辺にして、しばし朝寝としゃれこもう

 そうだ、いつもは嫌われる烏(からす)の声も、きょうばかりはめでたいらしい。<初烏ニライカナイを呼びにけり>有馬朗人。誰もが幸せな一年でありますように。