「廉恥」とは、潔白、正直で恥を知る心が強いこと。これを破るのが「破廉恥」。明治時代に編まれた辞書「言海」には、単刀直入に<ハジシラズ>とある
 
 週刊新潮に女性スキャンダルを暴かれ、自民党の中川俊直衆院議員=広島4区=が経済産業政務官を辞任した。祖父の代からの政治家一族で、父は元幹事長の秀直氏。その背中を十分に見ていなかったのかもしれない。しくじりまで世襲することになった
 
 「誠に不徳の致すところであり、地元の皆さまに不快の念を与え、本当に申し訳ない」とフェイスブックで謝罪した。不快な思いをしたのは、地元の人だけではないのだが。国民の代表という意識が希薄なのだろう
 
 政治家の責任として、辞任の理由をきちんと説明する必要がある。男女の仲に興味はないが、政治に影響を及ぼすとなれば別である。議員辞職を求める声さえ上がるのは当然だ
 
 恥ずべきことを知らない人が、このところ永田町周辺で目に付く。長期政権のおごりや緩みがあるのは疑いない。自重、自戒を求めて済むのならまだいいが、政治の劣化が急速に進んではいないか。問題の根は深い
 
 政権を追い込む材料がいくら浮上しても、そうはできない非力な野党が、事態をさらに悪化させている。厳しくなるばかりの国際環境にあって、日本政治、危機の時代である。