練習でバッティングホームを確認する選手たち=小松島市のみなと高等学園

 徳島県内で初めての障害者の軟式野球チームとして2015年に発足した「徳島ウイングス」が近く、日本身体障害者野球連盟(神戸市)への加盟を果たす。障害者チームとの試合をする機会に恵まれないことが悩みだったが、加盟によって全国規模の大会に参加できるようになり、活動の幅が一気に広がる。選手は胸を弾ませ、練習に打ち込んでいる。

 ウイングスは加盟資格の12人以上の選手数を保ち、熱心に活動してきた実績が評価された。1月下旬にも、理事会での審査を経て正式に加盟が決まる見通し。連盟の岩崎廣司理事長(67)は「地域の応援もあり、情熱のある監督や選手がそろっていて申し分ない。他のチームと刺激し合ってほしい」と太鼓判を押す。

 連盟は1993年に設立され、28都道府県の36チーム(930人)が加盟。毎年5月に全国7ブロックの上位チームが競う選抜全国大会、11月にトーナメント式の全日本選手権を開いている。ウイングスにとっては5月の選抜大会が加盟後初の公式戦となりそうだ。

 ウイングスは約20年前に解散した同名の障害者ソフトボールチームの後継として、15年4月に13人で結成。現在は身体障害や知的障害のある20~70代の男女14人が県内各地から参加し、週2日、小松島市のみなと高等学園などで練習している。

 対戦相手探しには苦労してきた。西上勝監督(51)=鳴門市鳴門町土佐泊浦、漁業手伝い=らが同市の「NARUTO総合型スポーツクラブ」に仲介してもらい、兵庫県や岡山県などの障害者チームと練習試合を行ってきたが、試合の機会は県内の健常者チームとの試合を含め年数回にとどまっている。

 選手たちは加盟を心待ちにしている。

 唯一の20代で投手を務める大野静馬さん(23)=徳島市助任本町7、会社員=は、元は企業チームに所属していたが、けがで脳を損傷し、知的障害の療育手帳の交付を受けている。ウイングスに入り、事故で片手を失った選手がバットを振る姿に、「まだまだやれる」と勇気をもらった。全国の舞台に立つという目標ができ、練習に力が入っている。

 脳性まひで体を動かすことが難しく、スコアラーとしてチームを支える岸上浩二さん(35)=徳島市南庄町の障害者支援施設・眉山園=も張り切っている。「試合が増えるので、役に立てる機会も増えてうれしい」

 西上監督は「いずれはパラリンピックや世界身体障害者野球大会に出場できる選手を輩出するのが目標。加盟を機に活動を知ってもらい、障害者野球を盛り上げたい」と力を込めた。