エアバッグのタカタが経営破綻した。リコール費用も含めた負債総額は、製造業では戦後最大となる約1兆7千億円に上る見通しだ。米企業の支援を受けて事業を継続しながら再生手続きを進め、欠陥エアバッグの無償交換も続ける

 最初のリコールから約9年がたつ。にもかかわらず、市場には回収の必要な同社製のエアバッグが大量に出回っている。交換用部品が足りないという。被害はさらに増える恐れがある

 初期段階で欠陥を認め、自動車メーカーと協力して部品の増産や新製品の開発を加速していれば、内外で多くの死傷者を出す事態は回避できた可能性があったとされる。判断の遅れが、問題をより深刻にした

 世に絶対はない。だが絶対であらねばならないことはある。企業が消費者に商品として提供する以上、安全が絶対条件だ。ことにエアバッグは乗員の命を守る製品である。1・7兆円の負債は、人の命より会社の利益を優先したために膨らんだともいえる

 人の命を守る。消費者庁の第一の役割でもあるだろう。同庁が来月、県庁に新たな拠点「消費者行政新未来創造オフィス」を設けるのに合わせ、徳島県が「とくしま消費者行政プラットホーム」を開設した

 ここで多くの議論が交わされよう。徳島の地にあっても機能が損なわれないことを、県を挙げて実証したい。