東京都議選が自民党の歴史的惨敗で終わった日、将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段の連勝記録が29で止まった。「勝負どころなく敗れたのは残念」。大記録にもおごらず、負けても腐らず。丁寧な口調で戦いを振り返った
 
 藤井四段にプロ初勝利を献上した「神武以来の天才」、「ひふみん」こと加藤一二三九段が、ツイッターでこんなエールを送っていた。<人生も、将棋も、勝負はつねに負けた地点からはじまる>
 
 勝負は佐々木勇気五段がリードする形で進み、やや押し戻す局面はあったものの、押し切られた。読みの甘さなど自分の弱点を挙げ、さらなる精進を誓った14歳の中学生。再びここから書き継ぐ神話は、大著となろう
 
 負けに不思議の負けなしという。将棋の方は見当がつかないが、自民惨敗の原因は、はっきりしている。「加計(かけ)学園」問題や「共謀罪」法の採決強行、閣僚の失言などによる逆風が、議席を吹き飛ばしたのである
 
 「よりまし」を求めてさまよう票が、「都民ファーストの会」へとなだれ込んだ。つまりは受け皿があるかどうか。「1強」も決して盤石ではない
 
 「反省すべき点は反省しながら謙虚に丁寧に、やるべきことは前に進めていかなければならない」と安倍晋三首相。「やるべきこと」に国民の意識とずれはないだろうか。感想戦をしっかりと。