自信を持つのはいいことだが、それがあり過ぎると、過信に変わり、やがて…という具合になる。そう後悔することがないようにと、ある自民党の重鎮は語ったのだろう

 衆院選を振り返り、安倍晋三首相を含めた政権内の緩み、おごりに警鐘を鳴らした。「野党が割れて選挙に勝っただけなのに、自分の力だと過信すれば失敗する」

 第4次安倍内閣が発足した。頼みの数を得て、憲法改正も進めたいところだろう。確かに数は自信につながるが、過信に変われば、何を招くか。森友、加計(かけ)学園を巡る疑惑は晴れていないし、衆院選で議論が深まらなかった争点も少なくない

 きのう時点で、首相の在職日数は2138日に達した。佐藤栄作、吉田茂両元首相に続く戦後3位の長期政権となっている。来年9月の自民党総裁連続3選も視野に入っているに違いない。真の友人なら、こう忠告するかもしれない。「権腐十年」と

 時の政権に必要なのは、警鐘にも耳障りな話にも、しっかりと耳を傾け、丁寧に説明を尽くすことだろう。伏せる、隠す、避けるを繰り返せば、たちまち「安倍1強」は姿を変えよう

 過信は緩み、おごり、高ぶりを招く。それを学んだから、安倍首相は選挙戦で、「謙虚」と「真摯(しんし)」をアピールしてきたはずである。これから論戦が始まる。それを有言実行する時だ。