自慢にもならないが、そらんじることはできる。「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」。邪気を払い、無病息災を願う七草がゆは、古代中国に源を発する古くからの習慣らしい

 ▼まな板に七草を載せて「唐土(とうど)の鳥が日本の土地へ渡らぬ先になずなななくさ」などと唱えながら包丁やすりこぎでたたき、かゆに入れるのが標準的な作法のようである。存在を知ってはいても、わが家での歴史はせいぜい、スーパーに七草のパックが並ぶようになってから。ここ20年ほど

 ▼食す習慣もなかったのに、なぜ七草の名を覚えたのか。記憶をたどれば、恐らく受験だろうとの結論にたどり着く。詰め込み教育の弊害がいわれるが、役に立つことだってある

 ▼正月も7日を過ぎれば、はや来週、大学入試センター試験が13、14日に迫っている。徳島県全域にインフルエンザ注意報が発令中である。体の調子を整え、万全の構えで臨むためにも、七草がゆはうってつけかもしれない

 ▼<君がため春の野にいでて若菜摘むわが衣手(ころもで)に雪はふりつつ>光孝天皇。小倉百人一首にも入るこの歌のころ、平安時代は羹(あつもの)というから、汁物にして七草を味わったようだ。かゆは室町以降とされる

 ▼君がため、受験生諸君に何もしてあげられない小欄だけど、せめて一言。「大丈夫、頑張れ」。