20世紀も終わろうとする2000年9月15日、南半球で44年ぶりとなるシドニー五輪が幕を開けた。開会式でとりわけ感動を呼んだのが、韓国と北朝鮮との合同入場行進である

 <シドニーの夜空に「コリア」のアナウンスがひときわ高く響いた。「アリラン」のメロディーに乗せて大きく揺れる統一旗>。翌日の本紙朝刊は、こんな書き出しでその様子を伝えている

 1950年の朝鮮戦争勃発から半世紀。まさに「平和の祭典」を象徴するような歴史的な行進に、<スタジアムから地響きを起こすほどの足踏みと盛大な拍手がわき起こった>と記事は続けた

 同じ光景が再び見られるのだろうか。おとといの南北閣僚級会談で、北朝鮮が来月開幕の韓国・平昌冬季五輪に参加すると表明した。韓国は合同入場行進と合同応援を行うよう要請したという

 緊張状態が続く両国の人たちが手を取り合い、一つの旗の下で健闘を誓い合う。それで信頼の絆が生まれれば、やがていい方向にと思いたいが、何度裏切られてきたことか。シドニーの後も、北朝鮮の核問題が再燃して融和ムードは消えてしまった

 会談では韓国が非核化への対話を求めたのに対し、北朝鮮は自らの行動を正当化してみせた。核を棚上げして「友好」を演出するだけなら、あまりにむなしい。拍手も盛大とはいかないだろう。