全国のブランド農産物に交じり、地下食品売り場に並ぶ県産の菌床シイタケ=都内百貨店

 徳島県産の菌床シイタケが、都内百貨店の食品売り場に浸透している。生産量全国1位の産地の底力を背景に巨大、肉厚、一口サイズといった特徴的な商品が続々と登場。各地から農産物が集まる「食の聖地」でブランド力が高まっている。

 神山椎茸生産販売協同組合(神山町)は2年ほど前から、東武百貨店池袋店や大丸東京店などに卸している。大きくて見栄えのするものを袋詰めし、大丸東京店では昨年12月上旬に1袋千円の高値で販売された。組合担当者は「注文量は増えており、評価が高まっているのだと思う」と話す。

 丸浅苑(徳島市)が2009年に本格販売を始めた小型の「ちいたけ」は、5年ほど前から都内百貨店で出回るようになった。直径3センチの一口サイズが「小さくてかわいい」「切らなくていいので手間が省ける」と女性を中心に受けている。剣山の天然種を菌床栽培した珍しさもあり、最近さらに売れ行きを伸ばしている。

 JA徳島市は多家良地区の南部しいたけ部会が手掛けた商品を築地市場などを通じて都内百貨店で販売。担当者は「肉厚で味もいいと高評価を得ている」と言う。

 徳島県など全国の菌床シイタケ生産者でつくる「協同組合日本茸師の会」(事務局・小松島市)が14年に開発した新品種の巨大シイタケ「天恵菇」は新聞やテレビに取り上げられて知名度が上昇。都内百貨店でも随時売られている。

 林野庁によると、近年の健康志向の高まりを背景に、シイタケの生産量は増加傾向にある。徳島の菌床シイタケは最新データがある14年まで16年連続で全国1位で、05年の5514トンから14年は8601トンと1・5倍に増えた。量を背景に産地の知名度が上昇するとともに、食べ応えや味など品質も高いため、京阪神に比べて遠距離にある首都圏からも引き合いがある。

 県もうかるブランド推進課は「高品質で特色ある生シイタケの商品をとくしま特選ブランドに認定するなど、官民のPRの取り組みが奏功している」とみる。