確かにこれまでとは違った何かが起ころうとしている。その前段での混乱かもしれない、とIT会社チームラボの猪子寿之代表の講演を聴いて漠然と考えた

 徳島市で開催中の「とくしまLED・デジタルアートフェスティバル」にシンボルアート4点を出展している。万代中央埠頭(ふとう)の<秩序がなくともピースは成り立つ>。猪子さんのメッセージがはっきりした作品だ

 透明のスクリーンに映し出された人間やカエルの踊り子、楽士。無数のホタルの明滅が、ある瞬間からそろうような「引き込み現象」が起こり、てんでばらばらの踊りや音楽に、次第に調和が生まれてくるという

 藍場浜公園の<自立しつつも、呼応する生命>は赤や黄、青や紫の光の風船が、押されると色を転じ、同じ色が次々広がる。混沌(こんとん)の中に生きる一人一人が呼応し、やがて平和で調和のとれた空間へ世界は姿を変える

 単なる受け手から、誰もが情報の発信者となったネット時代。トランプ米大統領のように社会分断の道具とする人がいては、いささか楽観的な将来像に思えるが、ネットワーク技術はいずれ、想像もしなかった所へ人類をいざなうのだろう

 「川はあっても、ネオンの輝く大阪ではできない」というフェス。光と闇、自然と芸術、混乱から生まれる調和、現在と未来。楽しみ方も多様だ。18日まで。