それまでの4年間を、最後の4分30秒に込める。どれだけ大変なことだろう。ましてや魔物がすむというオリンピックの舞台である。フィギュアスケートで金と銀、羽生結弦、宇野昌磨の両選手が、日本勢で初めて同時に表彰台に立った
 
 フィギュア男子では66年ぶりとなる連覇を成し遂げた羽生選手。「圧倒的に勝つ」。宣言通り、圧巻の演技だった。昨年11月に右足首を痛め、一時は出場さえも危ぶまれた中からの復活である。「右足に感謝」。そのコメントが、けがの重さを物語る
 
 フリーで2度転倒した前回のソチ。それからの4年間をスケート靴が知っている。羽生選手がエッジ(刃)研ぎを託す職人吉田年伸さんが証言する。「エッジが摩耗する範囲が広がった」。その分、技術は上がった。”悔しい金“を原動力に、王者は一回りも二回りも大きくなった
 
 3歳年下の20歳。こちらは王子の風貌の宇野選手。いきなりの失敗に笑いがこみ上げてきたそうだ。しかし焦りもしなかったという気持ちの強さ。後は攻めに攻め、荘厳な音楽に乗って華麗に舞った
 
 一つのことに、とことんこだわる性格だという。もちろん勝利にも。「今季が最終目標じゃない」
 
 これからの4年間。究極の演技を求めて、再び2人は挑み続ける。次回、北京の銀盤で、頂点を争う姿が目に浮かぶようだ。