効率化という言葉はくせもので、その裏面には大概、人員削減と書いてある

 三菱総合研究所が全国31の自治体と協力し、育児やごみ出しなどの問い合わせに人工知能(AI)が応答するサービスの実証実験を始めた。スマートフォンやパソコンを使った文字のやりとりで、住民は24時間質問でき、自治体側は電話応対などを効率化できる利点がある。10月にも実用化するそうだ

 従来そうした業務に当たっていた人はいらなくなる。財政難で人手不足、仕事はいくらでもあり、別の部署に回ってもらう。当面はそうなっても、気になるのはその先。あれもAI、これもAIとなっていくのだろう。民間ならば際限もなく

 人のことはいえないが、間違いも少なくない人間よりも機械の方が確実。AIに任せてしまえ。というわけで今ある仕事の多くが奪われる。そんな世の中がひたひたと近づいている。意外に近い未来の話である

 労働現場からぐぐっと引いて、日本列島を見渡し考える。効率の思想の行き着くところ、東京一極集中、それも結構。国富を分散させることはない。それでは地方の浮かぶ瀬がない

 AIには分かるまい。人生はいろいろあって面白い。その手助けとなる技術の進歩なら歓迎するけれど、人間の身の置き場がなくなるようでは考えもの。機械に負けない哲学がいる。