蒸し上がったコウゾを取り出す伝承会員ら=那賀町木頭和無田

 那賀町木頭地区に伝わる古代布・太布(たふ)の糸を作るため、原料のコウゾを加工する「楮(かじ)蒸し」が10日、同町木頭和無田の木頭創芸館前で始まった。

 地元の阿波太布製造技法保存伝承会会員やボランティアら約20人が、コウゾ約300本を長さ3・4メートルに切りそろえ、二つ折りにして大釜に入れた。釣り鐘状の蒸し器「甑」をかぶせて2時間ほど加熱。軟らかくなった樹皮を手でむき、あくで煮詰めた後、木づちでたたいて外側の茶色い皮を取り除いた。

 皮は那賀川で流水に一昼夜漬けた後、河原で3日ほど寒風にさらして凍らせる。さらに1カ月ほど自然乾燥させた後、細かく裂いた繊維を手でより合わせて糸にする。

 太布は1950年ごろまで全国で織られていたが、綿織物の普及に伴い姿を消した。現在では木頭地区の伝承会だけが製造を続けている。