拝宮和紙を使った張り子展を開く辻さん=那賀町大殿の自宅

 那賀町地域おこし協力隊の辻蘭子さん(44)が、同町拝宮地区に伝わる拝宮和紙で作った動物の張り子展を、19日から徳島市の阿波十郎兵衛屋敷で開く。温かみのある拝宮和紙の素朴な魅力を多くの人に知ってもらおうと、自らすいた和紙を使って、約半年かけて制作した。29日まで。

 ツキノワグマやニホンジカ、タヌキなど那賀町に生息する動物を中心に約30点を展示する。ほぼ実物大の大きさで、木を組んで原型を作り、上に拝宮和紙を重ね張りした。いすに座る人物像、藍染や草木染で和紙に色を付け、惑星をイメージして天井からつり下げた球体などもある。

 拝宮和紙は、拝宮地区で採れ、「赤楮(あかそ)」と呼ばれるコウゾの樹皮を原料に、拝宮谷川の水を紙すきに使って作る。赤楮は和紙に最上のものとされ、その丈夫さで江戸時代から主に障子紙として生産されてきた。

 辻さんは徳島市出身で、米ハワイなど海外で約5年間、独学でデザインを学んだ後、横浜市でフリーのイラストレーターとして活動。2015年4月に同町上那賀地区担当の協力隊として着任した。

 もともと日本の伝統的な和紙作りに関心があり、イベントの企画や町のPRポスターの制作に加え、同町拝宮の井本紙漉(す)き場で、製造技法の習得や製造体験教室の手伝いなどをしている。

 辻さんは「紙すきの技術はまだまだ未熟だが、拝宮和紙の素晴らしさを少しでも感じてもらえたら」と呼び掛けている。