老朽化のため、撤去されることになったかやぶき屋根の門=三好市西祖谷山村後山

 三好市は、同市西祖谷山村後山の県道西祖谷山山城線にあるかやぶき屋根の門(祖谷渓有料道路旧料金所)が老朽化したため、3月に撤去する。門は四半世紀にわたって、秘境・祖谷に向かうメインルートのシンボルとして親しまれてきた。地元住民らからは惜しむ声が相次いでいる。

 かやぶき門は1992年、県が「土木施設景観創造事業」として約727万円を投じて整備した。屋根の工事は東祖谷山村(現三好市)のかやぶき職人らが担い、山城町(同)の塩塚高原のかやが使われた。

 祖谷渓有料道路は98年に無料化され、門は西祖谷山村(同)に寄贈された。料金所としての役割を終えた後も残され、秘境ムードを盛り上げる存在だった。強風時にかやが飛ぶなどしたため、2004年には村が約157万円をかけて、屋根の最上部を銅板にするなどの修繕を行っている。

 これまで屋根が原因の事故は起きていないが、冬場はつららが垂れ下がり、老朽化も著しい。市はかやのふき替えや屋根全体の補修を検討したものの、改修・維持費が数千万円に上ることもあり、地元の観光関係者らと相談した上で解体を決めた。3月中旬までに行う。事業費は約452万円。

 かやぶき門撤去の知らせに、祖谷地方を年に数十回訪れるという高松市の鉄道カメラマン坪内政美さん(42)は「門をくぐるたび、祖谷に帰ってきたような気持ちにさせてくれた。昔の日本の原風景をとどめる格好の被写体だったのに残念」と肩を落とす。

 三好市西祖谷山村善徳のパート職員吉岡榮子さん(60)は「祖谷の象徴がなくなるなんて寂しい。観光振興にも役立っていると思うので、何とか残してほしい」と惜しんだ。