椿本副会長らが丸太を使って整備した参道=吉野川市山川町浦山

 吉野川市の住民団体「山川の文化財を守る会」が、同市山川町山瀬地区で約70年前まで使われていた阿波忌部氏ゆかりの参道「お七社詣りの道」を2年がかりで復活させた。かつて地域に親しまれていた由緒ある参道をPRし、地域おこしにつなげるのが狙い。22日には住民を対象にしたウオーキングイベントを開き、今後の活用策などを検討する。

 参道は、阿波忌部氏の祖神・天日鷲命を祭った「山崎忌部神社」(同市山川町忌部山)の周辺にある。同神社をはじめ、祖神と縁が深い「岩戸神社」や「白山神社」など8社を巡る全長8・5キロ。大半が山道で、近くには忌部氏のものとみられる忌部山古墳群や山崎忌部神社の旧社地にある黒岩遺跡なども点在する。白山神社近くの標高約200メートルの地点では善入寺島が一望できる。

 同地区の住民によると、地区には古くから毎年1月15日未明に、住民が各神社を参拝して無病息災や家内安全を祈る「お七社詣り」の風習があり、戦時中は戦地の家族の無事を祈るため歩いた。しかし戦後には途絶え、今では参道の存在を知らない人もいるという。

 このため、定期的に神社を清掃している守る会の会員が地域の風習を後世に伝えようと計画。会員12人が2014年12月から毎週、地権者の承諾を得て山中の枝打ちや樹木の伐採などを行い、荒廃した古道を再整備してきた。急斜面には丸太で階段を作り、順路を示す案内板約50本と、古道を紹介する看板も設置した。

 ウオーキングイベントでは、住民に体感してもらうとともに歩いた感想や活用に向けた意見などを聞く。守る会の椿本惠庸副会長(69)=同市山川町西久保=は「お七社詣りや古道の存在を広く発信していきたい」と話している。