「大国のトップにふさわしくない」「日本にも悪影響が及ぶ」。過激な言動を続けてきたドナルド・トランプ氏が米大統領に就任した21日、徳島県民からは改めて不安や戸惑いの声が上がった。米国がこれまでの国際協調主義から、自国の利益を第一に考える方向に転換することを強く印象付けた新大統領の就任演説。県内に住む米国人からは、国際協調を重視するよう注文する意見が出た。

 トランプ大統領は就任演説で「米国第一」を強調した。テレビニュースで演説を聞いた徳島市住吉3のフリーター大坂美佳さん(44)は「米国を最優先する姿勢は理解できるが、演説で話した保護主義的な経済政策などがそのまま実行されて他国も追随する流れになれば、殺伐とした世界になってしまう」と表情を曇らせた。

 「就任前から女性への差別発言など問題発言が多く、大統領としてふさわしいとは思えない」。阿南市羽ノ浦町中庄の飲食店経営島本眞理さん(51)は厳しい表情を見せる。日本経済や日米安保の先行きを懸念し「安倍晋三首相には米国との関係をしっかり保てるよう、外交手腕を発揮してほしい」と求めた。

 トランプ大統領はこの日、環太平洋連携協定(TPP)から離脱する通商政策を正式に表明した。米やダイコンを栽培する阿波市市場町伊月の農業吉本利美さん(69)は「TPPに代わってどんな通商政策を打ち出すのか、全く分からない」と困惑した様子を見せた。

 藍住町勝瑞の英会話教室経営マシュー・マドックスさん(43)=米ウィスコンシン州出身=は「過去の大統領の演説と違い、怒りの気持ちが出ているように感じた」と言う。「世界各国や、大統領選で反対候補を応援した人たちを敵視しているなら不満だ。周りの意見にもしっかり耳を傾ける大統領になってほしい」と注文した。