美波町が、町内に木材の備蓄倉庫や原木を乾燥させる中間土場を設け、地元産木材を製材業者に直接流通させる仕組みを整える。現在は海部郡内に原木を扱う市場がないため、郡内で伐採した木はいったん町外に出荷していたが、直接取引によって供給力を高める。備蓄倉庫は南海トラフ巨大地震で想定される津波浸水区域の外に設ける予定で、巨大地震の際には備蓄した木材を応急仮設住宅の部材として使う。

 町の計画では、山から切り出した原木を自然乾燥するための中間土場を町内に整備。製材業者が加工した木材を搬入する備蓄倉庫は、同町山河内の玉厨子(たまずし)農村公園にある未舗装の土地(1600平方メートル)に建てる。倉庫7棟で最大で計1209立方メートルの木材を備蓄する。

 美波町を含む海部郡内には原木を扱う市場がない。このため、町内の森林組合や林業会社が切り出した原木は、那賀町など町外の市場へ出荷し、自然乾燥などもした後、再び町内の製材業者が仕入れている。

 町内に備蓄倉庫や中間土場を設けることによって、原木を町外に出荷することなくスムーズに流通させることが可能になる。現在は必要となっている運賃や手数料などが不要となり、1立方メートル当たり約3千円のコスト削減につながるという。

 備蓄倉庫に収納できる木材は、9坪の仮設住宅で290棟分に相当する。災害時の仮設住宅の整備が早期に進むようになる。

 町は、町議会12月定例会で可決した本年度一般会計補正予算に、木材備蓄循環システム構築事業費として180万円を計上。町内の森林組合や製材業者、県建築士会、県など8団体が昨年12月、新しい木材流通システムを具体化させるため「町木材流通備蓄協議会」を発足させた。

 協議会は、25日の第2回会合で現地調査などを実施。町と森林組合、製材業者の流通・備蓄に関する協定締結について検討し、3月末までに流通システムの基本構想をまとめる。