村育推進協議会が小学生を対象に開いた土曜授業=2016年11月、佐那河内村下の村農業総合振興センター

 佐那河内村の住民や小・中学校のPTA、保育所児童の保護者らが、放課後や土曜日などに子どもたちに学びの場を提供する「村育(むらいく)」と名付けた取り組みを進めている。地域の人材を生かしながら「英会話教育」「キャリア教育」「自然体験活動」の三つに力を入れ、世界的な視野を持って地域で活躍できる力を身に付けてもらおうと活動している。

 村育はもともと、児童生徒の保護者や村教委が放課後の教育環境を整えたいと考える中で発案された。学力以外の力を伸ばすことに重点を置き、推進母体として2015年5月に住民ら8人をメンバーとした「村育推進協議会」を設立した。

 学校教育では子どもたちが失敗から学べる機会が少ないため、村育を通して村外の社会人や大学生と交流したり、古里の自然と触れ合ったりする機会を設け、自ら考える力を身に付けてもらうことを狙いとしている。

 村教委も16年12月に村育を重点プロジェクトに位置付けた。小さな村ならではの強みを生かし、協議会を中心に学校や地域と連携しながら、村全体で子どもを育てることを目標にしている。

 15年度は英語学習導入の準備を進めるとともに、放課後にインターネットテレビ電話「スカイプ」を使って海外にいる自転車冒険家・西川昌徳さん(兵庫県姫路市出身、徳島大工学部卒)と交流する「地球の教科書」授業を行った。「地球の教科書」授業では、社会的自立に向けてコミュニケーション力を磨くことなどを目指した。

 16年度には協議会メンバーに保育所児童の保護者や地域おこし協力隊員を加え、活動を本格化させた。協力隊員が小学生への放課後の英語教育を始めたほか、協議会と県内の大学生が小学生を対象に「土曜授業」も行った。学校との連携も進み、夏休みの登校日には地元の園瀬川で自然体験学習も開いた。

 協議会は今後、地域の人材をリストアップし、郷土学習に必要な情報を学校に提供していく仕組みも整える。日下輝彦会長(48)=下、農業=は「村育で学んだ子どもたちが将来的に村を育て、次世代につないでいってくれる人材になってほしい」と話している。