もみすり器の使い方を学ぶ組合員=つるぎ町貞光三木枋

 つるぎ町のソバ農家7戸が「つるぎ雑穀生産販売組合」を立ち上げ、そば米の生産量増加やブランド化に向けた活動に取り組んでいる。同町を含む県西部の4市町では、官民が「傾斜地農耕システム」の世界農業遺産や日本農業遺産の登録を目指している。組合は在来種のそば米の保存や急傾斜地農業の継承を進め、登録を後押しする。

 町内でソバを栽培する40~70代の農家が昨年10月、発足させた。ソバの栽培技術やそば米の加工方法を教え合う講習会を開くほか、統一したパッケージを用いてそば米を販売する。傾斜地農法の見学を希望する地元住民や観光客の受け入れなどにも取り組む。

 11月上旬には、同町貞光三木枋の組合員磯貝勝幸さん(72)宅でそば米作りの講習会を初めて企画し、7人が参加した。

 そば米のパッケージは現在、各農家がビニール袋などでそれぞれ作っている。町の依頼で四国大の学生が統一パッケージのデザインを制作しており、近く完成する。2月ごろから同町貞光の道の駅・貞光ゆうゆう館などで売り出す予定。

 町によると、同町内のソバの生産量は、2005年には20トンだったが、15年は3トンに減少している。栽培面積も21ヘクタールから4ヘクタールに減り、現在の農家は約30戸だという。

 そば米の生産量は把握していないが、中国産に押され減少しているとみられる。手間が掛かるため、販売しているのは7、8戸ほど。郷土料理のそば米雑炊を観光客らにPRするためにも、そば米の生産量増加が欠かせないとして町が組合設立を提案した。

 組合の西岡田治豈(はるき)会長(75)=同町貞光猿飼=は「在来のそば米は粒が細く、味が凝縮しているのが特徴。傾斜地で作ったそば米を多くの人に味わってほしい」と話す。

 農業遺産には、徳島など15県19地域が応募。徳島県西部など9県10地域が1次審査を通過し、3月末には世界農業遺産の国内候補と日本農業遺産の認定地域が決まる。