出羽島の島民(中)から昔の島の様子などを聞く大学生ら=牟岐町沖の同島の交流施設「波止の家」

 牟岐町の活性化を支援する大学生のNPO法人「ひとつむぎ」と同町の高校生らが、同町沖の出羽島に住む島民の暮らしを紹介する冊子を作る。昨年10月に島の集落が国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されることになったことを受け、建物の保存だけでなく、島で生まれ育った人々が歩んできた歴史も伝えていこうと考えた。島民への聞き取りを基に、3月までの完成を目指す。

 冊子では、島民の子ども時代や現在の暮らしを紹介する。島が漁村集落として栄えてきたことから、漁師の生活スタイルなども書き残す。ひとつむぎの大学生4人と、同町の高校生ら3人が中心となって作成する。

 14日には7人が出羽島を訪れ、島の交流施設「波止の家」で、島で育った堤末博さん(73)=漁師=と新潟潔さん(65)=漁協職員=の2人に話を聞いた。大学生らは「昔は島の小学校に何人子どもがいて、どんな過ごし方をしていたんですか」「何の魚をどんな方法で釣っているんですか」などと質問していた。

 まず2人の話を文章にまとめたり、デザインを決めたりして冊子を完成させる。町内のイベントでの展示や島の交流施設への常設を予定している。以降も別の島民に聞き取りを行い、冊子を増やしていきたい考えだ。

 ひとつむぎは2015年から同町の教育活動や地域おこし行事に携わっており、島民とも世間話をする機会が多くあった。徳島大2年の田中美有さん(20)は「島の方々の昔話は興味深いものが多く、私たちが聞くだけではもったいないと思った」と言う。

 昨年夏ごろ仲間と相談し、島民の話を冊子にまとめて多くの人に知ってもらうことにした。昨年11月には、地元を好きになってもらおうと、活動を通じて知り合った牟岐町の高校生に声を掛けた。

 同町の中山拓真さん(16)=富岡西高1年=は「出羽島は静かで心地よい場所。たくさんの人に島の魅力が伝わればうれしい」と話していた。