国土交通省が整備した人工干潟。生物の生息状況が自然干潟の時と同水準に戻った=阿南市の那賀川河口

 国土交通省が阿南市の那賀川河口に整備した人工干潟の生物の生息状況が、以前あった自然干潟の時とほぼ同じ水準になった。同省那賀川河川事務所が阿南市の阿南プラザホテルで開いた「環境回復モニタリング委員会」で報告した。同事務所は環境が回復されたとして年1回行ってきたモニタリング調査を本年度で終える。

 人工干潟は、那賀川の堤防かさ上げ工事によって自然干潟が失われるのに伴い、生物の生息環境を守るため、2013年度に造成した。河口から上流1・3~2キロに2カ所あり、計2100平方メートル。

 同事務所は昨年8月1~5日に干潟周辺の8カ所で魚や貝、甲殻類などの生息状況を調べた。確認された個体数は130種5861匹で、自然干潟だった2013年8月に調査した時の141種5184匹とほぼ同じ状況だった。希少種は▽クボハゼが16匹から84匹▽チワラスボが9匹から13匹▽シオマネキが13匹から61匹-などと、自然干潟の時に比べて増加していた。

 15年8月の前回調査時は、126種4495匹だった。

 委員会には生態学や河川工学などを専門とする委員8人のうち7人が出席。「生態の回復傾向がみられる」などと評価された。

 同事務所は、人工干潟が整備されて以降、毎年生息状況を調査してきた。今後は、国交省が5年ごとに全国で行っている「河川水辺国勢調査」に合わせて実施する。