キュウリの栽培や収穫が体験できるビニールハウスの建設予定地=美波町西河内

 海部郡特産の促成キュウリの担い手を確保するため、郡内3町とJAかいふ、県でつくる「海部次世代園芸産地創生推進協議会」は、美波町にキュウリの養液栽培や収穫が体験できるビニールハウスと研修施設を新設する。ともに2018年に完成させる計画で、体験ツアーを拡充するなどして、農業に関心を持つ人の受け入れ態勢を整える。

 ハウスは、高規格道路・日和佐道路の日和佐出入り口から南西へ800メートルにある、同町西河内の民有の田んぼ約3700平方メートルを借りて整備する。18年3月末までに、温度や湿度、水やりなどを自動制御できる約2700平方メートルの施設を建設。年間6回、参加者計300人程度を募集する1泊2日の体験ツアーを開くほか、随時、体験を受け入れる。

 ハウスの建設と併せ、就農希望者が短期滞在して栽培技術や地域の歴史・文化を学ぶことができる研修施設も、18年に美波町内に設ける方針。詳細は未定で、建設用地も今後、選定する。

 同協議会はこれまでに、海陽町吉野のビニールハウスでキュウリ栽培の体験ツアーを2回実施しており、東京や埼玉、大阪などから9人が参加。ツアー以外でも就農を希望する12人が個別に体験しており、体験者計21人のうち6人が海陽町で就農している。

 取り組みを強化するため、郡外からのアクセスが良い美波町に体験用のハウスを建てることにした。

 ハウスと研修施設の整備費用は総額1億3千万円。このうち約1億1400万円を、農林中央金庫(東京)が担い手支援などを目的に設立した一般社団法人「農林水産業みらい基金」(同)からの助成金で賄う。

 後継者不足で生産が落ち込んでいるキュウリ産地の再生へ向けて進める「きゅうりタウン構想」の一環。協議会は体験ツアーのほか、15年から担い手を育てる「海部きゅうり塾」を催し、同年は受講生9人のうち4人が就農した。現在は3人が受講している。

 JAかいふの濵崎禎文組合長(70)は「就農に意欲的な人にぜひ体験してもらいたい」と話している。