阿波晩茶の変わり種商品「福玉茶」を開発した松下さん=上勝町生実

 上勝町生実の農業松下章孝さん(46)が、町特産の阿波晩茶の製造過程で取り除かれている茶の実を使った茶を考案した。少し渋味があるのが特徴で、「福玉茶」と名付けた。新たな味を知ってもらい、阿波晩茶の一層のPRにつなげるのが狙いで、町内外の産直店などで販売している。

 松下さんによると、茶の実は直径2センチほどで、苦味がある。一般的に茶葉を乳酸発酵させた後、乾燥させる際に茎などとともに除かれる。松下さんは「茶葉と一緒に漬け込んでいるので、味わいがあるのでは」と着目。2年ほど前から商品化を目指してきた。

 商品はティーパックに詰め、2袋250円で販売している。茶葉より少し長めの3分間ほど湯に浸せば、ほんのりと爽やかな香りと酸味、渋味が楽しめるという。

 松下さんは会社員をしながら休日に両親の米の栽培や晩茶作りを手伝っていたが、2016年春から専業農家になった。高知県で開かれた茶生産者のイベントに参加し、阿波晩茶の需要の高さに気付いた。その一方で、晩茶農家の後継者が不足していることに危機感を抱いた。

 実だけでなく乳酸発酵させた後の茎を使った茶や紅茶、ハーブティーなど、新たな茶関連の商品開発にも取り組んでいる。

 松下さんは「茶葉と飲み比べ、阿波晩茶にもっと興味を持ってもらいたい」と話している。