県警が導入を検討している自動通話録音装置(左)(名古屋市の株式会社レッツ・コーポレーション提供)

 高齢者の特殊詐欺被害を防ぐため、徳島県警は固定電話に取り付ける自動通話録音機を貸し出す。登録していない番号から着信があると警告メッセージを発信した後に録音を始める仕組み。声を証拠として残すのを嫌う犯人側に電話を切らせる「撃退効果」があるとされ、2017年度に約300の高齢者世帯で検証する。

 録音機は固定電話にコードをつないで設置する。着信時に自動音声で「振り込め詐欺などの防止のため会話内容が録音されます」とアナウンスが流れた後、自動で通話内容を録音する。県警は機器を選定した上で、希望者を募って貸し出しを始める。県の17年度当初予算案に関連経費500万円を計上した。

 県警生活安全企画課によると、特殊詐欺被害は電話を介した事案が最も多い。県警に被害を届け出た人の約9割は犯人側から電話で接触してきたケースだった。同課は「犯人側に通話内容を録音すると告げると、電話を切る傾向が強い」としており、録音機の効果に期待を寄せる。

 県内の昨年1年間の特殊詐欺被害は59件(被害額1億6971万円)で、このうち65歳以上の高齢者が被害に遭ったケースは約半数の32件。今年に入っても同様の傾向を示しており、1月の被害者6人のうち高齢者が3人を占めている。

 録音機は、消費者庁が13年度のモデル事業として岩手、千葉、大分3県の計238世帯に設置した。電話をきっかけとした詐欺被害はなく、利用後のアンケートで約96%が「安心感につながった」と回答した。