傘踊りの稽古に励む(写真左から)小向さんや大下さん=神山町の旧阿川小体育館

 神山町の阿川地区に伝わる雨ごいの「傘踊り」が26日、地元の二之宮八幡神社で5年ぶりに披露される。少子化で踊り手の子どもが減ったため途絶えていたが、町内のサテライトオフィス(SO)への就職でUターンした女性らが中心になり復活へ歩み出した。

 披露するのは、SOえんがわオフィスで映像編集を手掛ける阿川地区出身の大下理恵さん(29)ら10~30代の女性6人。うち5人は踊りの経験者で、踊りを伝承する相原佳弘さん(79)=農業=に昨年9月から教わって振り付けを思い出し、今年1月からは旧阿川小体育館で週1回、稽古を重ねている。

 傘踊りは、地区を大干ばつが襲った際に始まったとされ、170年以上続く。着物姿の踊り子が小気味よい太鼓のリズムに乗り、傘を回したり、飛び跳ねたり。10月の秋祭りなどで地元の小中学生が踊っていた。

 しかし、過疎で祭りも衰退。5年前、踊り子が当時小学4年の小向円さん(15)=神山中学校3年=だけになって途絶えた。現在も地区に小中学生は3人しかいない。

 復活は、地域文化の保存に取り組むえんがわオフィスのカメラマンが昨秋、大下さんに傘踊りを撮影できないか打診したのがきっかけ。米国で大学時代を過ごした大下さんは「私たちが残さないと踊りが消えてしまう」と、仲間を集めた。

 傘踊り復活の話を聞き小向さんも高校受験を控えながら参加を決めた。「途絶えた時は『一人でも踊る』と思っていた。地元の文化をつないでいけて良かった」と話す。

 26日は、地区で開幕する「梅まつり」の催しとして、午前11時から披露する。会場にはかつて踊りの着物を寄贈した相原さんの同級生20人も訪れる。

 大下さんは「神山で働いていなければ、きっと復活はできなかった。周りの人たちが喜んでくれることが、何よりうれしい」と話した。