手作りのアースオーブンでピザを焼く岩佐さん(右)=佐那河内村上

 東京から昨年1月、佐那河内村に移住した岩佐洋介さん(56)=同村上=が、自宅の庭に作っていたピザ焼き窯「アースオーブン」が完成した。24、26の両日には、作業に協力してもらったお礼に住民らを招いてピザを振る舞い、窯開きを祝った。今後はピザ窯を活用した交流の催しを企画するなどして、村民らに開放することも考えているという。

 アースオーブンは直径1メートル、高さ約0・8メートル。岩佐さんが移住のために古民家を改修した際に出た土と、断熱効果のある稲わらや砂を使い、れんがを組んで作った。薪(まき)をくべると窯の内部は400度にもなり、本格的なピザ作りを楽しめる。

 窯作りの作業は、昨年12月にワークショップ形式で村内外の約20人が参加してスタート。その後、岩佐さんが2カ月かけて乾燥などの仕上げをした。

 26日は地元の子どもや高齢者らをはじめ、徳島市や牟岐町などからも計32人が訪れた。参加者は村内で採れた菜の花や小松島市の釜揚げシラス、トマトソースなどをピザ生地に載せて窯で焼き上げ、舌鼓を打った。

 岩佐さんの自宅周辺は過疎高齢化が進み、大勢の人が集まる機会はほとんどない。近くに住む野本キミ子さん(88)は「人が減って寂しくなるばかりだった。ピザもおいしく、にぎやかで良かった」と喜んだ。

 移住前は、大手自動車メーカーで商品開発の責任者などを務めた岩佐さん。田舎暮らしに憧れて全国各地を訪ねた結果、佐那河内の自然などが気に入り、移住した。「今後も、村内外の人が交流する企画を考えていきたい」と笑顔を見せた。