那賀町出身の藤田恭嗣氏が社長を務める電子書籍取次の「メディアドゥ」(東京都千代田区)は28日、同業の「出版デジタル機構」(東京都千代田区、新名新社長)を買収し、3月末に子会社化すると発表した。買収額は79億2千万円。コミックや雑誌の調達に強いメディアドゥが文芸書など書籍分野に強い出版デジタル機構を傘下に収め、提供する電子コンテンツの幅を広げるのが狙い。

 公正取引委員会の審査を経た上で、出版デジタル機構の筆頭株主である官民ファンドの産業革新機構から70・52%の株式を3月31日付で取得する予定。

 出版デジタル機構は国内の電子出版システムの整備を目的に2012年4月に設立。産業革新機構のほか、講談社、集英社、小学館などの出版各社が出資している。16年3月期の売上高は146億3600万円。メディアドゥの同2月期の売上高は112億4200万円。電子書籍取次8社のうち、出版デジタル機構はシェア1位、メディアドゥは2位。

 メディアドゥでは売り上げの95%をコミックなどが占める一方、5%にとどまる文芸書や学術書などテキストコンテンツを増やすことが課題だった。今回の買収で補完関係を築くことができる。

 メディアドゥは「両社の強みを合わせ、国内外を問わず、一つでも多くのコンテンツを一人でも多くの人へ届けられるよう新たな電子書籍流通プラットフォームの構築を目指していく」としている。