法で定められた手続きを経ないまま進む神山中寄宿舎解体工事=2月16日、神山町神領

 神山町が、子育て世代向け集合住宅の用地確保のために進めている旧神山中学校寄宿舎「青雲寮」(同町神領)の解体工事で、建設リサイクル法で義務付けられている県知事への「通知」を行っていないことが分かった。県建設管理課は「不適切」として早急に通知書類を提出するよう町を指導した。町は「知識が及んでいなかった」とするが、適正な法手続きを指導する立場の違法行為に住民から批判の声が上がっている。

 建設リサイクル法では、発注者や自主施工者は解体する建築物が延べ床面積80平方メートル以上などの場合、着工前に構造や工程を都道府県知事に届け出なければならない。違反した場合は20万円以下の罰金が科せられる。国や地方自治体は特例として届け出を求められていないものの、解体することを知事に通知しなければならない。国・地方自治体に罰金はない。

 青雲寮は、鉄筋コンクリート3階建て2棟、同4階建て1棟、同2階建て1棟で、延べ床面積は約3500平方メートルで、法に基づく通知の対象となる。

 しかし、町は昨年12月13日に着工する前も後も通知を出さないまま、工事を進めていた。今年2月23日に、外部から情報提供を受けた県が町に事実を確認して違法状態が明らかになった。工事は半分以上が既に終わっている。町は「リサイクル法について十分理解していなかった。現在、通知を作成しており、近日中に県に届ける」と説明した。

 県建設管理課によると、昨年6月、県内自治体職員を集めた会合を開き、通知が必要なことを周知していたという。同課は「神山町にはなぜ提出していなかったのかという理由書を添えて通知を出してもらう。他市町村でも同様の事例がないか調べる」とした。

 神山町は第三セクター・神山温泉の経営診断問題でも、随意契約締結前に特定業者に便宜を図るなど、不適切とされる行政運営が続いている。住民の一人は「法律を守らないなど行政としてもってのほか。町民として恥ずかしい」と話した。