ワカメに絡まったロープを外す作業に追われる組合員=鳴門市鳴門町土佐泊浦の亀浦漁港

 鳴門市鳴門町土佐泊浦の亀浦漁港の沖合で鳴門町漁協の組合員が設置していた鳴門わかめの養殖棚(ロープ製)が激しい潮流に流され、ワカメにロープが絡まるなどの大きな被害が出ていることが1日、分かった。漁協はクレーン付きの船で養殖棚を回収して漁港へ運び、組合員が手作業でロープからワカメを外す作業に追われた。生産者らは、1年のうちで潮流が最も激しくなる「春の大潮」が原因とみており、被害額は数千万円に上るとみられる。

 漁協によると、この海域では15軒約40基の鳴門わかめの養殖棚が延べ5~6キロにわたって設置されている。それぞれの棚はいかりの付いたロープで固定されていたが、27日夜の潮流で切れたとみられ、漂流した養殖棚が隣接する養殖棚に絡まりながら最長で1キロほど流された。

 今年はワカメの生育が遅く、収穫前に大潮のシーズンを迎えたことで被害が出たとみられる。

 28日早朝に収穫に出た組合員が気付き、漁協に連絡。同日中にクレーン付きの船で養殖棚を引き揚げ、漁港に運んだ。

 ロープからワカメを外す作業は1日朝から漁港で始まり、約40人の組合員が総出で後始末に追われた。この日は養殖量の約半分に当たる100トン余りを処理したが、残りは沖合の船に残ったままになっている。

 鳴門町漁協の福池昌広組合長は「このままでは組合員の生計が立たない。行政には迅速な支援をお願いしたい」と話した。

 近年では、2010年に同市里浦町の大手海岸沖に設置していた鳴門わかめの養殖棚が強風で流され、1億3千万円余りの被害が出ている。