行方不明者発見に貢献したとして感謝状が贈られた在りし日のファニー号=2012年10月、つるぎ署

 徳島県警の行方不明者捜索や犯罪捜査などに貢献してきた嘱託警察犬ファニー・フォン・フジ・クサカ号(シェパード、雌)が1月6日、11歳で息を引き取った。警察犬の実働期間は平均4年とされるが、ファニー号は6年にわたって活躍を続け、2012年9月には行方不明者の発見に力を発揮した。

 ファニー号は10年1月、においを手掛かりに行方不明者や犯人を捜索する「足跡追及」科目で嘱託警察犬の委嘱を受けた。県警が開く警察犬競技会で毎年優れた成績を収め、一度も嘱託警察犬の選考から漏れなかった。

 県警の要請に基づく出動回数は、行方不明者の捜索など通算45回に上る。中でも12年9月につるぎ署管内で高齢女性が行方不明となった事案では、枕カバーのにおいを手掛かりに捜索し、近くの谷川沿いで倒れていた女性を発見した。女性は目立ったけがもなく無事で、当時の指導員と所有者は署から表彰を受けた。

 現在の飼い主で訓練士の小松敏之さん(50)=徳島市住吉3=によると、1月6日午前、ファニー号の腹部が胃捻転とみられる症状で膨れているのに気付いた。急いで獣医師にかかり、処方された薬を自宅で飲ませていたが、同日夕に息を引き取った。

 県警鑑識課の担当者は「出動回数が多く、優秀で信頼できる警察犬だっただけに残念」と言う。小松さんは「機敏で指示をよく聞く賢い犬だった。残念の一言に尽きる」と別れを惜しんだ。