これが9カ月にわたって協議してきた結果なのか。一時しのぎとの印象が拭えない。

 徳島県議会の選挙区等検討委員会が出した結論は、美馬第2(つるぎ町、定数1)と美馬第1(美馬市、同2)の両選挙区を合区し、定数を計3から2とする最小限の見直しにとどまった。

 県議会2月定例会で条例改正案を可決し、次期県議選から適用する。

 検討委で焦点となったのは那賀(定数1)、美馬第2の扱いだ。

 両選挙区は、2015年の国勢調査を基に算出した配当基数(選挙区内の人口を県全体の議員1人当たりの人口で割った数)が0・5未満で、公職選挙法では隣接選挙区と合区しなければならない。

 ただ、1966年1月1日時点で設けられていた選挙区は、条例で残すことができるという特例規定がある。検討委は那賀にこれを適用し、特例区として存続させることを決めた。

 選挙区の面積が広く、地元議員がいなくなると、地域の意見が県政に届かなくなるというのが主な理由だ。

 那賀については、これまでの検証が十分だったとは言い難い。今後、那賀の存続を巡っては引き続き、議論が欠かせまい。

 美馬第2と第1との合区は、12年前まで同じ選挙区だったことから親和性があり、妥当な結論といえる。

 定数については第2と第1を合わせた3か、1減の2とするかで意見が割れた。3で据え置くと、人口規模の大きい吉野川選挙区(吉野川市、定数2)を上回るため、1減とすることで決着した。

 気になるのは、検討委で意見を戦わせたり、議員間で対立したりする場面がほとんど見られなかったことだ。

 区割りや定数の変更は議員にとって死活問題のため、過去4回の検討委では、意見がまとまらず調整に難航するのが常だった。

 だが、今回は那賀、美馬第2、第1の3選挙区の全議席を県議会自民党の議員が占め、他会派への影響が小さいこともあって激しいやりとりにはならなかった。

 地方議会は住民の無関心や議員のなり手不足など、危機的な状況にある。

 県議会も例外ではない。15年の県議選では、14選挙区のうち7選挙区が無投票となり、選挙戦が行われた7選挙区でも軒並み投票率が低下している。

 議会を活性化させるにはどうすればいいか。有為な人材が選挙に出られるようにする手だてはないのか。

 検討委で、そうした視点から論議されなかったのは残念だと言わざるを得ない。

 求められるのは、定数や区割りの抜本的見直しを含めた議会の改革である。ただ、身を切る見直しについて、議員自らが取り組むには限界があるだろう。今後検討する際は、第三者機関を設けるなどの工夫が必要だ。